同人誌のイラストになった犬

ダンプカーに轢かれそうになったところを兄に助けられ

我家へやってきた雑種犬「つよし」。

見るからにひ弱で臆病そうな彼に「つよし」と名付けたのは

父だったか兄だったかもう忘れたが

見た目と正反対の名前をもらい、

色んなものに怯えながらもそれなりに家族の一員として育った。

彼は元々野良犬だったので、それまで何を食べて生きてきたのかわからない。

わからないが、相当マズイものを食べていたのだろう。

ある日、母がつよしを連れて散歩に出、彼が放出した便を見たところ、

その中にはキャベツの細千切りのような虫がうじゃうじゃといた。

寄生虫である。借金返済計算なのだ。

慌てて犬用の虫下しを買い、つよしに飲ませ

しばらくしてようやく虫がいなくなった。

次にシャンプー。

ドブのような臭いのする彼を母が洗うと

水が真っ黒になったという。

しかしその甲斐あって彼は少しきれいになった。

子犬の頃は体が黒く、シェパードの血でも入っているのかなと思われたが

顔の周りの毛はテリアのようでもあり

手足はポキンと折れそうなほどか細い。

純粋犬種で言うならば一体どんな犬種に近いと言えるだろうか。

よくわからないけど、大雑把に言えばテリア系か。

笑っちゃうくらい怖がりの彼を見ていて

兄がある時、広告の裏に書いた落書き。

ヘルメットを被りサングラスをし、鼻水を垂らしているつよしの絵。

実に彼の特徴をうまく捉えたイラストだった。

家族にも好評で、後に私が参加していた同人誌の編集部に送り

こうしてつよしは同人誌のイラストとなった。

Categories: 静かなる思い